作品紹介

~No.50~

学年・学部

文学部国文学専攻

ペンネーム

濱田安里子

創作

恋ふる月かな

釈文

後朱雀院御時、祐子内親王ふぢ・・・

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後朱雀院御時、祐子内親王ふぢつぼにかはらずすみ侍りけるに、月くまなき夜、女房むかしおもひいでてながめ侍りけるほど、梅壷の女御まうのぼり侍りけるおとなひをよそにきき侍りて 菅原孝標女 あまのとを雲ゐながらもよそにみてむかしのあとをこふる月かな

書き下し文・意味

後朱雀天皇の御代、祐子内親王・・・

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後朱雀天皇の御代、祐子内親王は変わらず藤壺にお住まいになっていた。月の明るい夜、女房たちが昔を思い出してながめていたところに、梅壺の女御がお上がりになる気配をよそながら聞いて、菅原孝標女が詠む。 “ 天の戸を分けて召されていく女御の一行を、月も私も同じ雲居によそながら眺めていると、中宮様(嫄子)ご在世の昔が恋しく偲ばれてなりません ”

コメント

菅原孝標女のことを毎日考えて・・・

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菅原孝標女のことを毎日考えているので(卒論)、彼女の歌を選びました。新勅撰集に収められている歌と詞書です。詞書をあわせて書くのは初めてでしたが、元永本古今集の書風を真似て作品にまとめました。